質の育成

コロナウィルスの影響は、全世界的に広がっていますね。

ご多分に漏れず、弊社も大打撃を受けています。

大切な人材を集合させる研修などは、当分実施判断が出せない状況であると考えます。

その上で、人材育成とはなにか?を改めて熟慮することにしました。

「質の育成」は、多くの組織において、困っているポイントと感じます。

「質の育成」とは、いわゆる物事の見方や捉え方を決定する、価値観の醸成になります。


「質の育成」に関しては、

 ①過去の成功体験

 ②パラダイムや社会通念

 ③組織文化や組織風土

以上、3点に大きく影響されます。


①過去の成功体験に関して、

過去の成功体験は、個人の価値観を形作るためには、

非常に重要な位置付けにあると考えます。

物事の捉え方の基本は、自身の経験から得られた価値観によるものがほとんどでしょう。

恩師の言葉であったり、褒められた経験や叱られた経験など、

感情で刻み込まれた思い出を基本に判断しているようです。


問題としては、「成功体験はすでに過去のものである」ということを

人は理解しにくい点にあると考えます。

状況や環境の変化、新しいエビデンス(根拠)などがあったとしても、

人は素直に受け入れない傾向があるようです。


自尊心が邪魔をしていると考えますが、

常に自身が持つ情報をアップデートすることが必要ではないでしょうか。

また、自身の成功体験からくる価値観を客観的に具体的に理解することも重要です。

デイビッド・コルブ氏の提唱する、「経験学習」という考え方は、

非常に参考になります。


自身の価値観の特徴を理解していれば、良い点、まずい点もおのずと分かってくるのではないでしょうか。

他者の価値観や、時代の価値観を正しく取り入れることで、

自身の価値観を変化させることが大切です。


②パラダイムや社会通念に関して、

「他社や他者が考えている事や行っていることと同じであれば安心である」

と言うことはありませんか?

人は、良くも悪くも「世の中の常識」を基準に判断しているものです。

目立つ人や権威ある人の言動、メディアに頻繁に露出している情報。。。

鵜呑みにしていませんか?

根拠をしっかり理解し、それが今の時代に合っているか?

目的をしっかり具体化し、達成に対して意味があるか?

をじっくり検討してみましょう。


「常識」とは、常に変化してしまうモノであり、気を付けなければなりませんね。

「良識」で判断できるようになりたいものです。


③組織文化や組織風土に関して、

ウィキペディアによると、

「組織文化」は、経営されている組織において、構成員の間で共有されている行動原理や思考様式などのこと。

「組織風土」は、組織において表面化されている価値観のこと。構成員に明示的あるいは黙示的に知覚されている事柄であり、これが構成員の考えや行動や感情に影響を及ぼしている。これは多くは不文律であり、容易に変更することはできない。

とあります。


人はそれぞれ、意識しているしていないを問わず、

なにかの組織や集団に属しています。

家族、地域、国、世代、学校、習い事、サークル、会社などなど。

それぞれの組織や集まりの中で、独特の価値観はありませんか?

自身の価値観を越えて、集団の価値観を優先することも多いのではないでしょうか。

「組織文化」は、代表者などがリーダーシップを発揮し変更することが可能です。

組織を効率的に動かすための、「組織文化」をうまく活用していきましょう。


問題は、「組織風土」です。

各種ハラスメントの原因は、組織風土に問題があると言っても過言ではありません。

コンプライアンスに関する問題も同様です。

人材が育たない、風通しが悪い、など、身に覚えがありませんか?

「組織風土」と言う、「組織内の常識」を変えていかない限り、

メンバーの価値観や行動は変わりません。

内部からの働きかけで変わりにくい特徴もありますので、

外部の助力を利用してみてはいかがでしょうか。


人材の育成は、一筋縄ではいきません。

戦後成功した製造業の育成感覚や手法で、今後成功するとは限りません。


組織を活性化し、結果を出し、勝ち残っていくために、

メンバーの、量と質の向上を目指していきましょう。



株式会社賢嶺

1.業務アウトソーシング 2.労働生産性を高める業務改善 3.組織風土改善・人材育成 に関する支援を行います。