今年で創業100年を迎えたパナソニックが変わろうと必死だ。世界に目を向ければ、急成長を遂げた米アップルやグーグルなど新興勢に後塵(こうじん)をして久しい。「官僚組織」ともいわれきた同社は、自由で風通しのいい組織になるため、内側から企業文化を変えようと試行錯誤を重ねている。(中山玲子) シリコンバレーに新組織 「会議は一切ない。けれど、物事がどんどん決まっていく」 昨年夏に発足した米シリコンバレーの開発拠点「パナソニックβ(ベータ)」では、若手社員らがどんどんアイデアを出す。時間をかけて完璧な製品の完成をめざしてきた従来の手法から、失敗を繰り返しながら試作を重ねるシリコンバレー流の開発へ。ここでは、かつての社内の「常識」が覆され、失敗を奨励する空気さえある。 チームを率いるのは元IT(情報技術)ベンチャー幹部の馬場渉氏。大企業病を患い、組織の柔軟性を欠いたパナソニックに対し、前職で経験した自由闊達(かったつ)な仕事スタイルを取り入れ、内側から体質を変えていく。 ...
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